共鳴や音程を変えるための管はなく、音程の数だけリードが用意されている。つまり20音を出すなら、その音程に合わせたサイズの異なる20枚のリードが取り付けられている。
一般に普及していて気軽に楽しめるフリーリードの楽器といえばハーモニカだろう。リード・オルガンやアコーディオンなどもフリーリードで発音する楽器だ。中国南部やベトナム、タイあたりが発祥の地だと思われる笙(しょう)の仲間もフリーリードで音が鳴る。
多様な形態で演奏方法も様々はフリーリード楽器の中で、今回は息を吹き込んで鍵盤で演奏するフリーリードの楽器を紹介しましょう。
シンフォニウム Symphonium
シンフォニウム Symphonium |
チャールズ・ホイーストン(イギリスの物理学者)が1830年ごろに作ったマウス・オルガン。
両手で包み込むように持って演奏する。吹き口の形や演奏姿勢からして「笙」を参考にして作られたようにみえる。
マウス・フルーティナ Mouth flutina |
ヨーロッパの旧い楽器。アコーディオンの様にジャバラで空気を送り込む方法のフルーティナというのがあり、そのフルーティナを口から空気を送り方法にしたのがマウス・フルーティナ。
このイラストは、雑誌に載せられた広告より書き写したもの。
アコーディナ Accordina
アコーディナ Accordina |
ヨーロッパで使われている鍵盤ハーモニカ。
日本の学校でもよく使われているピアノ型キーの鍵盤ハーモニカ(通常ピアニカ)のキーをボタンにしたような形態をしている。
ただし、アコーディナは量産されておらず、数少ないメーカーで受注生産品だ。プロフェッショナルなミュージシャン用という高級楽器。
アコルディーナとも表記される。
鍵盤ハーモニカ Keyboard harmonica
鍵盤ハーモニカ Keyboard harmonica |
各社の商品名で販売されている。日本では、「ピアニカ」「メロディオン」などの名称がある。
現代に近い形状をもつピアノ型の鍵盤を持つものは、1957年にドイツのホーナー社が開発した「メロディカ」が最初。